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#23 2018.11.25 作品概要

  • 執筆者の写真: Admin
    Admin
  • 2018年11月27日
  • 読了時間: 4分

更新日:2019年2月3日


作品の内容について書こうと思います。早朝なのであんまり頭がキレイに回らないので、気負わずに書きやすい順番に書いていきます。



Ⅰ.地元の話をしようと思ったのには理由がある。


僕は生まれも育ちも京都府長岡京市で、現在も実家から茨木キャンパスにJRで通っている。特に長岡京に思い入れはないけれど、〈この街で22年間暮らし続けた〉ということは紛れもない事実です。



Ⅱ.夏休みに太田省吾氏の「飛翔と懸垂」を読みました。冒頭部で演劇が古来から現代まで続いている意味についての見解がなされていて、その一部で太宰治の晩年について触れられていました。


内容をかなり省略すると、



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①表現活動は必ずしも人々から憧れられるものではなく、むしろ蔑まれることもある。また、生命の維持には直接的な恩恵もなく、日々の暮らしの中で必ずしも必要とされるものではない。


②そのことを大半の表現者は自覚しているが、それでも尚、作品に何かしらの意義(社会性・前衛性など)を持たせて自己肯定し、自己表現を続けようとする。しかし、こうした表現方法は真に純粋なものではない。


③一方、太宰治は晩年に執筆した「人間失格」において、別の手段をもって〈自己表現の正当化〉を成功させた。


要は作品に意義を持たせるのではなく〈表現する私〉に対して意義を持たせたのである。


太田省吾氏曰く、彼は自分の死と引き換えに自己表現を遂行した。


つまりは


【俺はこの作品を書き終えた後に死ぬ。死を目前にした人間なのだから、何をしたって構わない。社会的に必要とされない、誰にも必要とされない自己表現をしたって構わないだろう】


という考えから表現活動を成功させたのではないか、という考察である。


④表現者は、生命とは言わずとも自分の中での価値のあるものの死、〈小さな死〉を受け入れることで、太宰と同じように〈真に純粋な表現活動〉をすることができるのではないか。


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というものでした。いうまでもなく、これらはあくまでも太田省吾氏の考察で、もっというと僕自身が正しく彼の文章を解釈できたという保証もありません。ただ、この冒頭部を読んで、自分の中で再解釈したときに妙にスッキリした感覚を覚えました。



Ⅲ.作品のネタに困っていた自分にとって、とても助けになる一節でした。この〈太田氏が考える太宰治の執筆方法〉を踏襲することで、とりあえず創作をスタートしてみました。


今、僕が掛けることが出来る〈小さな死〉は京都府長岡京市、もっというと、僕にとっての長岡京市でした。


僕は来春から社会人(サラリーマン)となり勤務の為に長岡京市を発つ。


この文章の冒頭にも書いたように長岡京市は僕が生まれてから22年間過ごしてきた街であり、僕にとってはテリトリー(避難所)のような場所でした。

他の地で働くことになっても、いつでも戻ってくることは出来ますが、〈テリトリーとしての長岡京市〉は段々と霞んで行くと思います。悲しいことがあった時に逃げ込みたい場所、守りたい場所は、きっと京都府長岡京市ではなくなっていく。


何れにせよ僕にとっての長岡京市の死は来春の4月に確定しているのです。



Ⅳ.この文章をどう纏めていいのかよく分からなくなってしまったのですが、長岡京を舞台に設定しているのは、要するに、


①書くことに困って太田省吾氏の考察を参考にした。

②そのアイテムとして自分の地元である長岡京市を選択した


という流れです。


なので、長岡京市のPRやネガティブキャンペーン的な作品にはなっていないです。


きっかけとして舞台設定を長岡京市に設定したのに過ぎず、内容自体はミステリー/不条理劇をベースにしたものです。


つまりは、色々な人に楽しんでもらえる内容にはしているので、リラックスして見ていただければ幸いです。



明日11月29日(木)18時30分が1ステです。座席数が約30席ほどしかなく、予約も10席ほど入っていますので、ご予約いただけると幸いです。ランタイムは60分程を予定しております。


皆様のご来場を心よりお待ちしております。



劇団西一風

脚本・演出 田岡真路



〈公演日時〉

11月29日(木) 18:30~

11月30日(金) 13:00~ / 18:30~

12月1日(土) 13:00~ / 19:00~

〈予約フォーム〉





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